a086から続きます。個展開催が決まってから、描き方が変わりました。以前は特に急ぐ必要もないため、1点1点、思いつくままに、自分の好きな絵を描いていました。そもそも「自分の好きな絵、描きたい絵」を見つけることがなかなか難しかったのです。そんなことができていれば、とっくの昔にアーティストになっていたはずです。ともかく、私はアーティストになることになりました。ごちゃごちゃ考えている暇はないのです。この回は蓮がテーマでした。モチーフの選定をしていると、いろいろと良い構図が見つかったので、一気に3点を同時に描き始めることにしました。同時製作ですから、基本的にはタッチや描き方が同じになります。見方を変えると同じものがたくさんあるとつまらなくなりそうでそれまで避けていたのですが、とにかく作品点数を優先するために、これ以降、基本的には1点仕上げではなく、同時製作で進行します。同じ雰囲気の作品でも、たくさんある中に散りばめれば、それぞれが違った風に見えることを狙いました。やはり後で気が付いたのですが、同時に描いたものでも出来映えの良し悪しがあり、結果、量産したからこそ、その中から「良品」が生まれるのでは?とも思います。自分で作ったものなので、どれもかわいいのですが、「良品」が生まれるために他の作品があるのだとも思います。 |